「発泡体」「フォーム」「スポンジ」それぞれの言葉の意味、違いを知っていますか?
知っているようで意外と知らないこれらの言葉について、詳しく解説していきます。
発泡体の意味
発泡体は「気泡を含んでいるもの」という意味。
一般的には、発泡体というと「発泡プラスチック」のことを指します。
「プラスチック発泡体」「合成樹脂発泡体」などと呼ばれることもあります。
発泡プラスチックとは、気泡を含ませて多孔質※にしたプラスチックのことです。
※細孔(小さな穴)が非常に多く空いている状態のこと
ポリウレタン (PUR)、ポリスチレン (PS)、ポリオレフィン(ポリエチレン (PE)やポリプロピレン (PP)など)といった合成樹脂が主に原料として使用されています。
フォームの意味
フォームは英語で「foam」と書き、「泡」「泡沫(うたかた・ほうまつ)」といった意味を持ちます。
「bubble」(バブル)はシャボン玉のような気泡を意味し、「foam」は気泡が集まった泡沫を意味します。
一般的に、フォームというと「発泡プラスチック」か、シェービングフォームや洗顔フォームなどの石鹸でできた泡のことを指します。
スポンジの意味
厳密には、骨がなく、海綿質繊維が網目状構造をしている海綿類(主にモクヨクカイメン)を、さらして海綿質繊維だけにしたもののことをスポンジといいます。
つまり、スポンジとは本来、海綿動物のことを指すのです。
この海綿動物を加工したものは、「天然スポンジ」と呼ばれることが多いようです。
そして、これを模して作ったプラスチック発泡体のことも、「スポンジ」と呼ぶようになりました。
基本的に、スポンジとは「プラスチックでできた海綿状のもの」もしくは「スポンジケーキ」のこと、と認識しておけばよいでしょう。
発泡体・フォーム・スポンジの違い
それぞれについて説明してきましたが、ここで違いをみてみましょう。
辞書的な意味と一般的な意味に分けて考えていきます。
辞書的な意味
発泡体:気泡を含んでいるもの
フォーム:泡沫(うたかた・ほうまつ)
スポンジ:海綿動物の海綿質繊維・加工品
「発泡体」と「フォーム」は『泡を含んだもの』というようなかなり近い意味であることがわかります。
「スポンジ」という言葉が示す意味はより具体的で、さらに『泡を含んでいる』という意味は持っていないので、「発泡体」「フォーム」とはすこし離れた意味合いの言葉だといえますね。
一般的な意味
発泡体:発泡プラスチック
フォーム:発泡プラスチック
スポンジ:プラスチックでできた海綿状のもの
一般的な意味でとらえると、さらに違いがなくなります。
「発泡体」「フォーム」は一般的には同じ「発泡プラスチック」という意味です。
「スポンジ」については、少し変わったニュアンスはあるものの、「発泡体」「フォーム」と近い状態のものを指すので、これも基本的には同じ意味と捉えることができます。
そのため、例えば「ウレタン発泡体」「ウレタンフォーム」「ウレタンスポンジ」これらは同じ意味と考えて問題ないでしょう。
まとめ
発泡体 | フォーム | スポンジ | |
---|---|---|---|
辞書的な意味 | 気泡を含んでいるもの | 泡沫(うたかた・ほうまつ) | 海綿動物の海綿質繊維・加工品 |
一般的な意味 | 発泡プラスチック | 発泡プラスチック | プラスチックでできた海綿状のもの |
一般的な他の意味 | – | 石鹸でできた泡 | スポンジケーキ |
このように、辞書的な意味合いではそれぞれに細かな違いがありますが、一般的に使われている意味合いはほとんど同じです。
ですが、言葉が使われている頻度や場面を考えると、「発泡体」が最もプロっぽく、「スポンジ」がもっとも一般的で、「フォーム」はその中間という感じがあります。
場面や厳密な意味によって使い分けると良いでしょう。
ご参考になりましたでしょうか?
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